白象の気まぐれコラム

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zoom RSS 「米原万里展」にて再認識した才女の足跡

<<   作成日時 : 2010/04/23 06:52   >>

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市川市芳澤ガーデンギャラリーにて5月9日まで開催中の「米原万里展/ロシア語通訳から作家へ」を見てきました。 4年前に癌で亡くなった才女・米原万里の生涯と仕事を紹介する企画展で 写真パネル 思い出の品々 直筆原稿 通訳時代に準備した自作資料 愛蔵の絵など約200点が展示されていました。

チェコから帰国して東京外語大ロシア語科を卒業した米原万里は 「共産党幹部の子弟」という事で就職先が決まらず 資格を取ってソ連(当時)旅行の添乗員となります。 展覧会の会場には そのときのエピソードとして 現地で「みなさんソ連のバスは定刻通りに出発します。もし乗り遅れるとシベリアに行って木こりの仕事をさせられる可能性があります」と冗談を言ったところ、旅行客はそれをまともに受けてきちんと集合時間を守ったという話が紹介されていました。

米原万里は その後 通訳から作家(物書き)に転じ 『不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か』で1995年の読売文学賞(随筆・紀行賞) 『魔女の1ダース』で1997年の講談社エッセイ賞を受賞しています、

私は 米原万里の下ネタ小噺が大好きで 会場の「ロシア小咄の作り方」コーナーには エッセイ集「魔女の1ダース」の中にある次の小噺が紹介されていました。

天寿を全うしたブレジネフ書記長は、当然の成り行きとして地獄に落ちた。入り口のところで門番が待ち構えていて、注意する。
「ブレジネフさん、地獄に来た以上、必ず罰を受けなくてはいけません。書記長とて逃れる術はありません。ただし、どんな罰を受けるかは選択できる仕組みになっています。自分で選びなさい」
そう言われて、ブレジネフは地獄を一通り見学した。すると、レーニンは針の山でもがき、スターリンは煮えたぎる窯の中で悶えていた。ところがなんと向こうの方では、フルシチョフがマリリンモンローと抱き合っているではないか。ブレジネフは手をたたいて叫んだ。
「これだ。わたしにもフルシチョフ同志と同じ罰を与えてもらいたい」
地獄の職員が言った。「とんでもない。あれはフルシチョフではなく、マリリンモンローが受けている罰ですよ」


読むたびに 思わず吹き出してしまう良く出来た小噺です。 米原万里は 2006年の5月に56歳で亡くなりましたが 生前(癌の発病を知る前) ご本人は75歳まで生きると考えていたようで 著書「「終生ヒトのオスは飼わず」の中で 新聞に載る自分自身の死亡記事を次のように面白おかしく予想しています。

「米村万里さんが2025年12月21日未明に亡くなった。 享年75歳 死因は狂犬病と推定されている, 旅先の丸亀市で野良犬に食べ残しを与えた時に手を軽く噛まれたことが命取りとなった。 日本的な和を尊ぶコミュニケーションに馴染めず 舌禍美人と呼ばれる性格を持ち エッ勝手リーナと綽名された。 ソ連邦崩壊後のロシア語需要急増の波に乗って同時通訳者とし稼ぎまくり 鎌倉にペレストロイカ御殿を建設した。 同時通訳者から作家に転進したが 加齢と共に野良犬と野良猫を保護する癖が強まり 最近はその数98頭に達して近隣から臭気や吼えをめぐり苦情が絶えなかった。 通夜の喪主は 故人の遺言に従い 養子の無理さんと養女の道理さんが務めるが 両名とも猫である」(抜粋のみ)

奇抜な発想力と逞しい筆力で 型にはまらない生き方を選んだ米原万里ですが 56歳という若さで亡くなり さぞ無念であっただろうと 会場の展示品を見ながら思いました。

ご存知のように 米原万里の妹(ユリ)が4月9日に急逝した作家・井上ひさしの夫人(2番目の奥さん)で この企画展に寄せた井上ひさしのメッセージが会場入口に架けてありました。
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会場となった市川市芳澤ガーデンギャラリー

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芳澤ガーデンギャラリーの庭

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芳澤ガーデンギャラリーの正門

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