白象の気まぐれコラム

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zoom RSS 定年を生前葬に例える内館牧子著「終わった人」を読み退職した元エリート銀行員の葛藤を想う

<<   作成日時 : 2017/06/01 06:47   >>

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内館牧子著「終わった人」を読みました。 この本で著者は定年を生前葬に例え 定年退職した元エリート銀行員の葛藤と悲哀を生々しく書いています。

なぜ「定年は生前葬」なのか その理由について著者は 定年退職日に職場の同僚から花束を贈呈され 特にその日に限り会社が用意した黒塗りのハイヤーに乗り見送られる退職者の姿を 葬儀に参列した焼香者に見送られ霊柩車で火葬場に向かう死者になぞらえています。

内館牧子著「終わった人」の概要は 次のようなものです。

田代壮介は 東大法学部を卒業 日本を代表するメガバンクに入行し 39歳で最年少の支店長に抜擢され その後も順調に昇進してきたが 役員に昇格できず 49歳のある日 従業員30人の子会社へ出向を命じられ 転籍となった51歳の時に「ああ僕は終わったのだ」と頭の中が冷たくなる。 定年退職したらのんびりと楽しく穏やかに過ごしたいという人もいるが 田代は会社人生に未練と悔いが残ったままだった。 経済的に余裕はあるものの、まったく心の準備ができてなく 身体はまだまだ元気で、時間だけがたっぷりある田代は スポーツジムに通ったりカルチャースクールで学んだりするが 楽しめず ハローワークで再就職先を探しても 東大法卒という肩書が邪魔して仕事にありつけない。 田代に転機が訪れるのは スポーツジムで知り合ったITベンチャー企業の社長から会社の経営顧問就任を依頼される共にカルチャースクールの受付で親切にしてくれた女性スタッフと少しずつ親密になったことだった。 ここから鬱々とした日々を過ごしていた田代の人生は急展開を見せ 平穏だった生活に思わぬ危機が訪れる。

後は読んでのお楽しみとしますが 仕事一筋で友達も趣味もやりたいこともない男が定年退職後に生き甲斐を探し居場所を求めてあがく姿は 多くの人にとって他人事(ひとごと)ではありません。 定年が生前葬なら 煩悩から脱して成仏していないと救われませんが 田代は未練を残したまま定年を迎えたので 心穏やかに余生を過ごせなかったようです。

私事になりますが 私の場合はどうだっのかを振り返ってみると 田代に共感する部分が少なからずあります。 今になって  あの時はああすればよかったと後悔することも多々ありますが しかし 10年間の海外生活を含むトヨタとその後の出向・転籍先で 自分の能力に余る難しい仕事を色々と与えられ 貴重で面白いたくさんの経験もさせて貰ったので 未練を残すことなくほぼ燃え尽きて定年になっており 成仏して生前葬に臨めたようもな気がします。 自分の人生を振り返って まあこれで良かったのだと肯定するのは 負け惜しみなのかも知れませんが そのように思わない限り 定年退職後を心穏やかに過ごせないと思います。

この本は 定年後の人生の過ごし方を考えさせてくれる本として 貴重です。  尚 著者の内館牧子さん(68歳)は 39歳の時に脚本家としてデビューするまで三菱重工のOLとして勤めたことがあり その経験が本著に随所で生かされていると思いました。

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