ノーベル物理学賞候補だった故・戸塚洋二さんの「仏教と自然科学」に関する面白い見解(文芸春秋8月号)

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素粒子ニュートリノに質量があることを「ス-パーカミオカンデ」を用いた観測で発見し ノーベル物理学賞の有力候補とされた戸塚洋二(とつか・ようじ)さんが7月10日(文芸春秋の発売日)に がんで亡くなりました(66歳)。

その戸塚洋二さんが立花隆さんと対談した内容が文芸春秋8月号に「がん宣告・余命19カ月の記録(ノーベル賞に最も近い物理学者が闘う生と死のドラマ)」と題し載っています。

その中で 仏教の教えは自然科学の考え方に近いとして 戸塚洋二さんが次のような面白い見解を述べていることを私は注目しました。

1. 宇宙というのは生まれたら必ず終わりがある。 終わってどうなるかというと 完全な無の世界 時空もなくなる。 
2。 仏教で悟る(解脱する)ということは輪廻転生から外れるということで 「無の世界」(ゼロの世界)に入ること。
3. 従い 仏教と自然科学は「無の世界」という視点で一致する。
4. 最新の宇宙論は「我々が生きるこの宇宙は ビッグバンにより出来たので ユニバース(宇宙は一つ)ではなくマルチバース(無数の宇宙)が存在する」というものである。 仏教の輪廻転生という考えは「マルチバース論」に近い。
5. 我々・自然科学者が一生懸勉強していることが 仏陀が一生懸命考えたことと似ていることに すごく安心感を覚える。
6. だったら このまま死を淡々と受け入れればいい。

対談を読み 戸塚洋二さんは 亡くなる前に「悟りの心境」に達し 達観した境地で従容として死を迎えられた気がしました。

般若心経にある「色即是空」とは「無(空)の世界」であり 私の好きな言葉です。 仏陀と自然科学者・戸塚洋二さんが「無の世界」や「輪廻転生(マルチバース)」について似た見方をしているのは面白いナと思いました。

尚 2002年にノーベル賞を受賞した恩師の小柴昌俊氏(東京大特別栄誉教授)は 文芸春秋の対談記事を読み その感想を電子メールで送ったところ 戸塚洋二さんはその5分後に亡くなられたそうです。

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この記事へのコメント

Y’姪っ子
2008年07月27日 11:22
伯父の愛読書?の文藝春秋、伯父が読んで赤ペンでチェックした春秋が今も私の手元にあります。興味深い記事ですね、私も精神性の学びをしましたが、色んな教えがありますが、皆同じようなことを言っている気がします。私は今「神との対話=全3巻」を読んでいます。
伯父との別れも納得出来ました。
もうすぐ初盆です。
早いです。。。暑さにお気をつけて。
白象
2008年07月27日 21:21
Y’姪っ子様
コメントを有難うございます. 「神との対話=全3巻」は難しそうな本ですネ。 暑中ご自愛ください。

2008年07月29日 21:44
白象さん、今晩は。
確かに仏教は言葉が異なるだけで自然科学に近いように感じます。
無神論なので特に日本人には親しみやすいようです。
昔の人が直観で捉えていたことを科学的に実証してようやく納得しているのが今日の我々ですね。
2008年07月29日 21:55
空様
先人が直感で捉えたことえ科学的に実証してようやく納得というのはご指摘のとうりと思いました。私は まだまだ煩悩が多く達観できないままですが・・・ 
子規
2008年11月09日 18:00
松山市で、立花隆さんの講演会がありました。
テーマは、「がん患者になって」
そこで戸塚洋二さんのことを知りました。このブログの記事も興味深く拝見しました。 
2008年11月10日 07:22
子規様
コメントを有難うございます。 立花隆さんの講演は良かったのではないでしょうか。

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