高金利通貨と低金利通貨のどちらに投資しても期待利益は同じになるという理論

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老後の生活に備える金融資産の運用方法として 最近では 高金利の外貨(外貨預金や外債購入)に投資する人が急増しています。 低金利の定期預金では将来のインフレヘッジできないというリスクがあり 虎の子の老後資金を株に投資するのもリスクが高いからです。

こうした状況で 高金利通貨(高金利国の外貨預金や外債購入)に投資するのは 一見 理に適っているようですが 「高金利通貨と低金利通貨のどちらに投資しても期待利益は同じになるという理論」が存在することをご存知でしょうか?

仮に 日本円の年金利1%に対して A国(通貨はAドル)という年金利10%の高金利国が存在し 両国間の現行為替レートを1Aドルに対して100円と想定します。

日本円100万円でA国の国債(利回り年10%)を購入し 為替レートが同じ状況で1年後に売却して円貨に戻すなら 元利合計は110万円(計算を簡単にする為に為替手数料を考慮しない)となります。 このように必ずなると想定して 皆が円を売ってAドルを買った結果が現行の為替レート(1Aドル100円)ということになります。 

ところが「完全に機能している市場では 他資産より収益の期待値が高い資産は 市場参加者がその資産を買うことで他資産より高い期待収益がなくなる所まで価格が上昇する」という普遍的な経済理論があり この理論に基づくなら 高金利通貨は低金利通貨に対して将来切り下がる(円高・Aドル安になる)ということを前提に現行為替レート(1Aドル100円)は決められているということになります。 即ち 理論的には Aドル建て債に投資しても円建て債に投資しても同じリターンになるように 現在の為替レート(1Aドル100円)は将来の為替レート(1年後に1Aドル91円80銭)を想定して決めらたということになります。 

この仕組みが「高金利通貨と低金利通貨のどちらに投資しても期待利益は同じになるという理論」です。 高金利通貨に投資しても 基本的にはこの理論に基づき為替レートは変動するので 期待利益は低金利通貨に投資した場合と同じ結果になります。

理論は理論として 現実(過去10~15年間)はどうだったかというと 高金利通貨は円に対して理論値ほどには強くなってなく 高金利通貨に投資した方が有利だったと証券会社は分析しています。 日本とA国の金利差から現在と将来の両国為替レートが理論どうりに自動的に決まるなら物事は簡単ですが 両国間には金利差だけでなく 景気 物価 国際収支(経常収支と資本収支)などの違いも存在するので 為替レートは理論値のようには動かないというのが現実です。 「完全に機能している市場」など存在しないので 為替レートは理論と異なる動きをすることになります。

冒頭に書いたように 老後の生活に備える金融資産の運用方法として 高金利の外貨(外貨預金や外債購入)に投資する人が最近になって急増していますが 投資する前に この基本理論を先ず理解すべきです。 最近 世界主要先進国の国債に投資する投資信託「グロソブ(グローバル・ソブリン・オープン)が大人気ですが 「高金利通貨と低金利通貨のどちらに投資しても期待利益は同じになるという理論」が存在することを理解しないままに投資している方が多いのではないでしょうか? 

もっとも 私自身もこの理論を知らずに年利回り6.83%の豪ドル建て債券に投資したので 他人のことをとやかく言う資格はないのですが・・・・。

話を少し飛躍させます。 米国シティーグループがサムライ債と呼ばれる個人向け円建て外債(利回り年3.22%)を日本で募集し話題となりましたが 発効日の9月30日直前になって急遽延期しました。 発行を延期した理由は 発行条件を決めた先月9月9日から環境が大きく変わったからだそうです。 外貨だけでなく 異なる利回りの円貨に対する投資も「期待収益は同じになるという理論」が存在するようですネ。

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千葉県福栄スポーツ広場に咲く曼珠沙華(彼岸花)で この記事とは無関係です

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