映画「スラムドッグ・ミリオネア」のキーワードは聖書からの表現“it is written”

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映画「スラムドッグ$ミリオネア」をTOHOシネマズシャンテ(日比谷)にて見ましたが 今年のアカデミー賞で作品・監督賞など8部門を独占しただけあって 期待を裏切らぬ面白さでした。 

映画の概要は「インド・ムンバイ(昔のボンベイ)のスラムで育ちほとんど教育も受けていない青年(ジャマール)が 四択で賞金が倍々になっていくテレビ番組「クイズ$ミリオネア」に出場し 最後の質問に正解できれば史上最高の賞金額2000万ルピー(日本円に換算して4000万円相当?)を獲得できるという段階になって 不正を疑われ逮捕される。 無学のジャマールになぜ難問が解けたのか 尋問の過程でジャマールの過酷な人生が次々と明らかになっていく」というものです。

映画では映画を見ている人たちに対して 冒頭のプロローグで 次のような四択の質問が先ず出されます。

Jamal Malik is one question away from winning 20 million rupees. How did he do it? (ジャマールが残り1問で最高賞金2000万ルピーを獲得できるまでになった理由は次のどれか?)

A. He cheated
B. He's lucky
C. He's a genius
D. It is written


映画の観客は この答えを考えながら映画を見ていくことになりますが 映画が終わる直前に 「正解は D. It is written」という答えが示されると共に 「運命」という日本語訳の字幕が出ます。

『It's written』というのは 聖書からの表現で もともと人間には自由意志はなく 人生で起きることは全て神が決めた『運命』であるという意味になります。 聖書には 神の語ったことが書かれており

「神の言葉」→「聖書に書かれていること」→「it is written」→「神の定めた帰結」→「運命」

ということになるので 『It's written』=『運命』 となります。

ジャマールは正解が分からぬまま勘だけで答えたことも多かったので 運が良かった(B. He's lucky)だけだったとも言えますが 2000万ルピーを獲得できたのは 「運」ではなく「神の定めた運命(D. It is written)」であったと映画を見た人たち全員が共感できるように 映画全体のストリーが巧妙に展開されており  アカデミー賞で8部門を独占しただけあると思いました。

私には「it is written」という言葉で思い出すことがあります。 それは 未だ現役であった頃に英米人との議論で負けそうになった時のことです。 苦し紛れに『It's written』と私が言ったところ 相手は苦笑いして私の主張を認めてくれました。 「神の定め」なら誰も議論の余地はないからです。 

ちなみに 映画の中で2000万ルピーを賭けた最後の質問は アレクサンドル・デュマ(1802~1870年)原作の「三銃士」に関するものでした。 「三銃士の3人とは アトス ポルトスの他に残る一人は誰か」という質問で 4択の中からジャマールは運命に導かれるように直感だけで「アラミス」という正解を当てていました。 私は映画を見ながら「ダルタニアン」と思いましたが ダルタニアンを含めて「四銃士」でしたね。

ともあれ インド人のエネルギーとイギリス人監督ダニー・ボイルのセンスが見事に融合したドキュメンタリータッチの映画「Slumdog Millionaire」は見応えがあり お薦めです。

写真上は クイズ・ミリオネアの司会役とジャマール 写真下は ジャマールと恋人ラティカ。
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