レーガン大統領夫人(ナンシー)の観た歌舞伎18番「勧進帳」

画像
「歌舞伎よもやま話」と題するみずほ証券(株)主催の講演会が新浦安ブライトンホテルにて開かれたので出席しました。 2時間半の講演内容は 歌舞伎に関する歴史 約束事 構成 演出 現代に生きる歌舞伎言葉 エピソードなど多岐に渡るもので 歌舞伎全般についての基礎知識を得るのに良い機会となりました。

自分の得意芸のことを 「おはこ」と言い 漢字では「十八番(おはこ)」と書きます。 なぜ、得意芸の「おはこ」が「十八番」なのか 講師によると その語源は歌舞伎にあるそうです。 

「おはこ」とは 箱に入れて大事に保存するという意からきていますが 歌舞伎役者の家系の中でも宗家(そうけ)として別格の扱いを受けてきた市川団十郎家(成田屋)の7世・市川団十郎(1791-1859)の時に 初世以来受け継がれてきた市川家の得意芸を18だけ選び出し これを「歌舞伎十八番」(家の芸)として定めたところから 得意芸を「十八番(おはこ)」と呼ぶようになったそうです。

<歌舞伎十八番>とは 「不破(ふわ)」、「鳴神(なるかみ)」、「暫(しばらく)」、「不動(ふどう)」、 「嫐(うわなり)」、「象引(ぞうひき)」、「勧進帳」、「助六(すけろく)」、 「外郎売(ういろううり)」、「矢の根」、「押戻(おしもどし)」、 「景清(かげきよ)」、「関羽(かんう)」、「七つ面(ななつめん)」、 「毛抜(けぬき)」、「解脱(げだつ)」、「蛇柳(じゃやなぎ)」、 「鎌髭(かまひげ)」のことです。

歌舞伎十八番の一つに「勧進帳」というのがありますが その内容は ご存知の如く 次のようなものです。 

源頼朝の怒りを買った源義経一行は 武蔵坊弁慶を先頭に山伏の姿で北陸を通って奥州へ逃げる際に 加賀国「安宅の関」を通り抜けようとする。 関守の富樫左衛門の元には既に義経一行が山伏姿であるという情報が届いており 富樫は義経と知りつつ弁慶の胸中を察し 弁慶の嘘を見破りながら騙された振りをして通行を許す。 しかし 部下のひとりが義経に疑いをかけたので 弁慶は主君の義経を金剛杖で叩き 疑いを晴らす。

昭和60年に東京サミットが開かれた時に 日本政府主催で各国のファーストレディーを歌舞伎座に招き「勧進帳」を見せたそうですが レーガン大統領夫人(ナンシー)から 「頼朝からサラリーを貰っている富樫が 義経と分かっているのに逃がしたのは 頼朝に対する契約違反ではないのか?」と質問したそうです。

このエピソードを紹介した講師は 「洋の東西を問わず 男女の愛とか 親子の情というのは人類普遍の真理だが 武士の情とか判官贔屓といった敗者・弱者に味方するという日本人的美徳や 親子の縁よりも主従の縁が上にくる封建社会における日本の道徳観について 契約社会で育った合理主義の国・アメリカ人には理解できないのでしょう」と講演をまとめていました。

「歌舞伎は難しい」という先入観が私にはあり これまで敬遠してきましたが 今回の講演を聞き 歌舞伎十八番の全てを鑑賞したくなりました。
画像

新浦安ブライトンホテルでの講演会

画像

講演会風景

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック