ブルーカラーの仕事(製造)に加えホワイトカラーの仕事(人事・経理・IT)も中国に移すNECの意図は?

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日本企業は 日本に比べ5分の1以下という中国の低賃金を利用してコストダウンを進めるために 製造事業(主にブルーカラーの仕事)を続々と日本から中国へ移してきましたが 日本語の壁があって事務部門の間接業務(主にホワイトカラーの仕事)まで中国に移す(アウトソーシング・業務委託する)のは難しいと考えられていました。 しかし中国では 戦前から日本語を話せる人たちが多い上に日本語教育を熱心に進めていることから 日本語の壁がなく 最近では 事務部門の間接業務も日本から中国に移す企業が増えています。

中国へ事務部門の間接業務を移した日本企業は既に2500社以上もあり 2015年までに経理・財務・総務・コールセンター・ソフトウェア開発といった40万人ほどのホワイトカラーの仕事が日本から中国に移されるものと推定されています。 グローバル化の産物とは言え ブルーカラーの仕事だけでなくホワイトカラーの仕事も次々と中国に移され 日本国内での雇用機会が失われるのは 日本の労働者にとって脅威です。

こうした動きの典型として NEC(日本電気)は NECグループ全体の7割にあたる10万人分の人事関連業務を中国(天津)に移し該当業務のコストを半減させることにしたと7月12日に発表しています。 写真上は そのことを報じた日本経済新聞の第1面トップ記事です。 同記事によると NECは本社と天津オフィスの間を専用回線で繋ぎ 先ずはNEC本体の勤務実績データや出張精算書のチェック等の定型業務から移管を開始し、順次、人事労務業務の移管を拡大し 更に将来は経理業務も移す方針であるとのことです。

私は昨年6月に大連と旅順を旅行した際に 小中高で一緒だったM君が支援している「大連ソフトウェアパーク」を訪ね 大連でのITO(IT Outsourcing)とBPO(Business Process Outsourcing)の現状について同君の話を聞く機会があり そのことを私のブログ記事  「大連ソフトウェアパーク」へのアウトソーシングが急増している日本企業のIT関連業務 に書きました。 

日本企業が「大連ソフトウェアパーク」にアウトソース(外注)している間接業務には 次の如くITOとBPOの2種類があり 最近ではBPOの伸びが顕著だそうです。

(1) ITO(IT Outsourcing):アプリケーションソフト開発、組み込みソフトの開発、
  研究開発など
(2) BPO(Business Process Outsourcing):データ入力、コールセンター、
  人事・経理・総務業務など

NECは 既に製造事業とITOの一部を中国に移しており 今回の発表は第3弾としてBPOを中国に移すというものです。

日本の財政赤字が改善されないと 日本もギリシャみたいなるので 消費税を上げるべきであるという主張があり その反論として 消費税を上げなくても経済を成長させGDPを毎年4%伸ばせれば財政黒字に転換できるという「みんなの党」渡部喜美代表などの主張があります。

渡部代表の主張は一面で正しいと思いますが ブルーカラーの仕事だけでなくホワイトカラーの仕事も次々と日本から中国に移され 日本国内での雇用機会がどんどん失われつつある現状を考えると 「消費税を上げなくても経済を成長させGDPを毎年4%伸ばせれば財政黒字に転換できる」という主張は非現実的ではないでしょうか?

経済のグローバル化が進む中で 日本人の賃金を中国人並みに下げない限り日本企業は中国企業と競争するのが難しくなっており 日本人は中国人より優秀なので高賃金でも競争できると考えるのは optimisticに過ぎます。 日本の企業にとって グローバル化が進む中で 競争力を維持して成長し生き残るのは 容易でありません。
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大連ソフトウェアパーク建物群の模型

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大連ソフトウェアパーク(DLSP)本社の受付

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