宮沢りえ主演の映画「紙の月」ポスターに便乗した警視庁の横領防止タイアップポスター

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角田光代のサスペンス小説「紙の月」は 今年1月7日~2月4日の間 原田知世(46歳)主演でNHK総合テレビにて5回(各回45分)シリーズとして放送され とても面白い内容でした。 その同じ主役を宮沢りえ(41歳)がどう演じるのか興味を持ったので 映画を観てみました。

映画のストーリーは次のようなものです。

バブル崩壊後の1994年 夫と二人暮らしの主婦・梅澤梨花(宮沢りえ)は銀行の契約社員として働いていた。 上司からの信頼も厚く 一見 何不自由のない生活を送っているように見える梨花だったが 自分への関心が薄い夫との生活には虚(むな)しさを覚えていた。 そんなある日 梨花は顧客である独居老人の孫で年下の大学生・平林光太(池松壮亮)と出会い 恋に落ちる。 光太との不倫関係を続ける内に梨花は顧客の預金に手を付けるようになり 歯止めが効かなくなる。 梨花の金銭感覚と日常は次第にゆがみ始め 銀行の同僚により巨額に達した横領を突き止められる。

原作者の角田光代は 「紙の月」について “横領に手を染めていくが 男に貢ぐ話ではなく お金の介在した恋しかできない女性のちょっとゆがんだ恋愛ものとして書いた”と語っています。

東京国際映画祭最優秀女優賞を宮沢りえが受賞した映画「紙の月」の見どころは 梨花が横領を重ね段々と発覚していくスリリングなプロセスで 観る人を共犯者のようにドキドキさせます。 宮沢りえは梨花の “地味なのに妖艶 堅実なのに脆い”という難しい役を見事に演じていました。

この映画に着目した警視庁は この映画のポスターを冒頭のポスター(クリックして拡大視可)の如く“詐欺・横領”防止のタイアップポスターとして採用し「少しの過ちから、人生の歯車が壊れていく」という警告文を載せています。 公的組織である警視庁がタイアップポスターで民間企業・松竹の片棒をかつぎ映画「紙の月」の宣伝をしていることに驚きました。

映画の中で 梨花は 虚しい夫との生活から逃れ自由を得るために人生の歯車を意図的に壊している確信犯であり タイアップポスターの警告文 「少しの過ちから、人生の歯車が壊れていく」で警視庁が意図したこととは異なるのではないでしょうか? 横領の確信犯を警視庁が横領防止のキャンペーンポスターに利用するというのは滑稽でさえあります。  

尚 本と映画のタイトルになっている「紙の月」が何を示唆するのか私には良く分りませんが 英語で“張り子の虎”を“Paper Tiger”と表現するので “紙の月(Paper Moon)”は“紙で作られた偽物の月”という意味と思われます。 角田光代の著作タイトルには 「八日目の蝉」 を含め意味深で良く分らないものが多いですが タイトルを見てついつい読みたくなりますね。
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宮沢りえが大量の1万円札をまとった映画のティーザーポスター。 このポスターを警視庁は横領防止のタイアップポスターとして利用

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