クリント・イーストウッド監督の映画「アメリカン・スナイパー」を観てイラク戦争の光と影を想う

画像
イラク戦争に従軍した伝説のスナイパー、クリス・カイルの自伝を基に制作されたクリント・イーストウッド監督の映画「アメリカン・スナイパー」を観ました。 今回の第87回アカデミー賞で作品賞・主演男優賞を含む6部門にノミネートされただけあって(主要部門の受賞は逃したものの) とても見応えがありました。。

この映画に対する米国内の評価は高く 戦争映画としては「プライベート・ライアン」(1998年公開)を抜くトップの興行収入で クリント・イーストウッド監督の作品としてはこれまで最大のヒット「許されざる者」(1992年公開)を抜くそうです。  映画の概要は以下です。

テキサス州生まれのクリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)は 幼い頃に父親から「世界には 羊・狼・シープドッグ(牧羊犬)という3種類の人間がいる。 お前は羊を狼から守るシープドッグたれ」と教えられる。 1998年にケニアで起きたアメリカ大使館爆破テロをテレビで見たクリスは 愛国心から1999年に海軍に入隊 厳しい試験を受け 海軍特殊部隊「SEALS」の狙撃手として手腕を認められる。 2003年にイラク戦争が始まると 2009年に除隊するまで4回に亘りイラクへ派遣され 米軍史上最多となる160人の敵を射殺した凄腕の狙撃手として「レジェンド(伝説)」と称賛される。 クリスは 4回のイラク従軍後に海軍を除隊するが 戦争の記憶に苛まれ 我が家に戻っても心ここにあらずで 安らぐことの出来ない毎日を送るようになる。

クリスは 幼少期に教えられた「シープドッグたれ」という信念を貫き イラクで狙撃兵として羊ならぬ米兵たちを守ったことが 皮肉にも心に深い傷を残し 重い犠牲を払うことになります。

非現実的で悲惨な体験をした多くの帰還兵士たちが 帰国後に心的外傷後ストレス障害(Posttraumatic stress disorder、PTSD)で苦しむことは 良く知られていますが 除隊後のクリスは PTSDそのものです。 クリスの苦悩は イラクで守れなかった仲間たちに対する自責の念だけでなく 自分自身が迷いなく殺した相手は「狼」ではなくもしかしたら「羊」だったのではという疑念が湧いたことにもありそうです。

クリント・イーストウッド監督は 「グラン・トリノ」(2009年公開)で 朝鮮戦争の体験から心を閉ざした老人を描きましたが 本作でも戦争で心をむしばまれる姿を描いています。

イラク戦争の光と影について 84歳にして未だこれほどの傑作映画を生み出すクリント・イーストウッド監督に脱帽しました。
画像

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 7

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
ナイス ナイス

この記事へのコメント

hms
2015年03月04日 10:54
降伏状態の日本に無差別絨毯爆撃や原爆投下の戦争犯罪をおかした悪魔に要望され、自衛隊やリニアー新幹線86%の地下トンネルが軍事転用の地下滑走路や防空壕など着々と戦争に備え準備?
自衛隊との共同使用を合わせて北海道から沖縄まで各地に132か所の基地を悪魔に提供?
困ったものです。
白象
2015年03月04日 12:21
hmsさま
コメントを有難うございます。

この記事へのトラックバック