EV普及の鍵となる次世代電池・全固体電池を官民で開発する技術研究組合「LIBTEC」は機能するのか?

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電気自動車(EV)の普及には リチウムイオン電池の弱点を克服した次世代電池「全固体電池」の開発が必要であり 世界で最も進んでいると言われるトヨタの研究は 色々と課題があり未だ実用化できていないと ブログの別記事 トヨタはリチウムイオン電池に代わる「全固体電池」の実用化で電気自動車(EV)でも覇者になれるか? に書きました。 リチウムイオン電池と全固体電池は 電解質が液体か固体かという点で大きく異なります。

その「全固体電池」について 4月18日の日本経済新聞は 経済産業省傘下の独立行政法人NEDOが16億円を拠出して全固体電池の開発を支援するという記事を掲載し 同じ日にNEDOは プレスリリースで 公募の結果として LIBTECを代表とする16機関の提案を採択したとし発表しています。 その内容を簡単にまとめると以下です。

経済産業省傘下のNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は 自動車メーカー(トヨタ 日産 ホンダ)、電池メーカー(パナソニック GSユアサなど) 電池材料メーカー(旭化成 東レなど)が官民で協力して全固体電池の開発を進める支援として16億円を支援する。 支援先は 主要な電池材料メーカーが主体になって2010年に発足した技術研究組合「リチウムイオン電池材料評価研究センター(略称 LIBTEC)」を代表とする16 機関(京都大学 東京工業大学 産業技術総合研究所 理化学研究所 日本自動車研究所など)で 上掲図の如く  LIBTECに対して電池メーカーが技術開発を支援し 自動車メーカーが安全性評価や実証実験を支援する。

リチウムイオン電池は ソニーが世界で初めて実用化に成功しましたが 上掲図の協力体制に加わってなく 組合員にもなってないので オールジャパンの開発体制と言えるのか私には疑問です。

LIBTEC(大阪府池田市)は 研究施設を経済産業省傘下の産業技術総合技術研究所の敷地内に置いており 実質的に経済産業省の管轄下にあると考えられます。 NEDOの支援金16億円を16研究機関に均等配分すると1機関1億円しかなく これだけの助成金でどれだけの研究が出来るのか甚だ疑問であり 代表研究機関としてLIBTECが16億円の配分方法を含め16機関を上手くコントロール出来るのかについても疑問です。

一番の問題は 日本経済新聞の記事が正しいなら 自動車メーカー(トヨタ 日産 ホンダ)は全固体電池の開発に加わらず 安全性評価や実証実験で協力するという点であり 全固体電池の開発で最も進んでいるというトヨタが開発に加わらないなら 成果を期待できないのではないでしょうか?

トヨタは 昨年12月に全固体電池の開発について パナソニックとの協業を検討すると発表しているので LIBTECの位置づけが不明であり  「下手な鉄砲撃ち 数撃ちゃあ当る」を実践しているのかも知れませんね。

全固体電池の開発について NEDOからの助成金16億円を受ける16機関の代表研究機関としてLIBTECが今後どのような組織や体制で臨むのか 注目したく思います。 以下は日本経済新聞の関連記事(クリックして拡大視可)です。
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この記事へのコメント

刈谷
2018年04月29日 21:48
私の簡単なコメントにも丁寧にご返信をいただき、有難うございます。
白像様のブログを読んでいるといかに、自分が不勉強なのかを思い知らされます。
不躾な質問ですが、白像様はどんな情報媒体を日々見ておられますか?参考にさせて頂きたいです。
また、白像様の過去のブログを拝見させて頂きました。白像様は奥田碩さんがフィリピンで働いておられた当時、現地で働いていた数人の日本人の1人であったとのことで、大変驚きました!
私は奥田碩さんを大変尊敬しています。テレビの前でしか見たことありませんし、しかも、当時の私は高校生でしたが、歯に衣着せぬ、大胆かつ、緻密な分析、度胸で、他を圧倒していた強い印象が残っています。またフィクションではありますが、トヨトミの野望も読みました。
もし、可能であれば、奥田碩さんの当時のエピソードをお教えいただけないでしょうか。
白象
2018年04月30日 06:56
刈谷さま
コメントを有難うございます。LIBTECへトヨタからは電池生技開発部(主査)だった石黒恭生理事が常勤で4月1日付けで出向しています。

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