社会派の巨匠として知られるケン・ローチ監督の英国映画「家族を想うとき」を観て知った是枝裕和監督との類似性

sorry1.jpg2016年の「わたしはダニエル・ブレイク」でカンヌ国際映画祭パルムドール賞を取ったケン・ローチ監督の英国映画「家族を想うとき」を観ました。 9月のNHKテレビ対談にて 是枝監督がケン・ローチ監督を「最も尊敬し映画作りの手本にしている」と語っていたので この映画を観てみたいと思いました。 映画の概略は以下です。

舞台はイギリス北部の都市ニューカッスル。 独立心旺盛なリッキーは 本社とフランチャイズ契約を結ぶ宅配便の個人事業主となり過酷な現場で毎日ノルマを課され時間に追われながらも念願であるマイホーム購入の夢をかなえるため懸命に働いている。そんな夫をサポートする妻のアビーもまた、パートタイムの介護福祉士として時間外まで1日中働いている。 夫婦は家族の幸せのために働く一方で子供たちと一緒に過ごす時間が少なくなり、高校生のセブと小学生のライザはさみしさを募らせ 家族の絆が崩れていく。 諸経費を除くリッキーの実収入は少ないので 借金が膨れ上がり、リッキーの家族を取り巻く環境は悲惨な状況になる。

働けば働くほど、時間も心も体も擦り切れていき、お金は溜まるどころか、借金が増えていくという状況は 英国だけでなく 日本でも 世界のどこでも起きている現象であり ケン・ローチ監督は 格差社会の中で底辺にて働く人たちが苦しい生活を強いられていることを 怒りも持って描いています。

貧困に晒される家族と社会を描いたこの映画は 是枝裕和監督の映画「万引き家族」と作風が似ており 是枝裕和監督がケン・ローチ監督を手本として尊敬していることが良く分かりました。

映画の原題は「Sorry We Missed You」です。 この原題は「会えなくてごめんね」というのが一般的な意味ですが 主人公は宅配便のドライバーなので 相手が不在だった時に“お届けにうかがいましたがご不在でした”という不在票に書かれる慣例表現だそうです。

映画の原題を「家族を想うとき」の如く邦題にすると 家族愛を描いた映画の如く思われるので 理不尽な社会を怒るケン・ローチ監督の気持ちが伝わりませんが 「不在通知」という邦題にしても同じ問題なので どのような邦題にすれば良いかは難しいですね。
sorry2.jpg
sorry3.jpg

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 3

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント