樫尾俊雄発明記念館を見学し1957年にカシオが商品化した世界初の「小型純電気式計算機」に驚く

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成城学園前駅から徒歩15分の樫尾俊雄発明記念館を見学しました。 同館を見学するには 事前予約が必要で コロナウイルス感染対策に万全を期して 6月初から再開された見学を1日1回(12:30~14:30)一組3名以下に限定しています。

樫尾俊雄発明記念館は 創業以来それぞれの役割を分担してカシオ(正式社名はカシオ計算機株式会社)を発展させた樫尾4兄弟の内 製品開発を担った次男・俊雄(1925~2012年)の自宅を開放し俊雄の功績を後世に伝えるために2013年に開館したものです。 同館には 俊雄が発明(開発)した数々の商品が展示されていますが 目玉は 世界初の小型純電気式計算機「14-A」です。 この計算機(総重量140kgs)は 大卒の初任給が月額1万円以下だった昭和32年(1957年)に約50万円で商品化したもので 金融機関や研究機関などを中心に普及し 最盛期には月販200~300台となり カシオを飛躍させるきっかけになりました。

上掲の写真は 小型純電気式計算機「14-A」で その概要を簡単に説明すると以下です。

机ほどのサイズの同計算機「14-A」が商品化される前は 歯車を手動または電気モーターで回す機械式だったが 14-Aは 341個のリレー素子を使い 歯車を利用せずに電気回路だけで10進法の計算をするもので 世界初の画期的な小型純電気計算機(リレー式計算機)として 一般企業も手軽に導入できた。 機械式を電気式にした14-Aは 今のコンピューターと同じ方式で スイッチのオン・オフで電気回路を作動させ計算させるもので 基幹部品として電話交換機にも使われたリレー素子(継電器)を改善して利用した。 リレー素子は コイルに電流を流し磁力で鉄片を動かし電流をオン・オフに切り替えるもので 機械式に比べ構造が簡単で静かで計算が早く 計算する数字の入力にテンキー方式を採用した。 天才肌の発明家・俊雄は カシオの頭脳で 後に半導体のデジタル技術を駆使して14-Aを2進法で計算する電子式小型卓上計算機(カシオミニ)を1972年に¥12,800で発売して大ヒットさせると共に デジタル時計や電子楽器なども生み出し事業の多角化に成功した。

樫尾俊雄発明記念館では 小型純電気式計算機「14-A」を作動させて各種の計算を実演しており とても興味深いものでした。 実演を見ても 341個のリレー素子で10進法の計算が何故できるのか 私には良く分かりませんでしたが 実演を見て何となく分かった気がしました。 歴史的な計算機として14-Aの実物は 国立科学博物館とスミソニアン博物館を含め世界で4台のみ展示されていますが 動かすことが出来るのは樫尾俊雄記念館のみです。

2012年 87歳で亡くなった樫尾俊雄は 生涯で313件(共同名義を含む)の特許を取得し 藍綬褒章(1984年)と米国家電協会生涯業績賞(2000年)を授与されています。

樫尾俊雄の発明哲学は 既にあるものを改良すのではなく どこにもなかったものを新しく想像する「0から1を生み出す」ことであり そのことが誇りだったそうです。

成城4丁目にある樫尾俊雄発明記念館は 国分寺崖線の一部を構成する崖の上に建てられています。 国分寺崖線は 太古の多摩川が武蔵野台地の南側を削ってできた河岸段丘で 現在は多摩川の支流である野川が記念館の近くを流れています。 NHKテレビ「ブラタモリ」に“河岸段丘”なるものがよく登場しますが 成城4丁目で初めてその実物を見ました。
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13-Aに使われた341個のリレー素子

kashio3.jpg机サイズの13-Aに置かれたテンキーは計算する数字を入力するもの

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カシオミニを含む電卓の展示

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電子楽器

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G-SHOCKを含む腕時計

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国分寺崖線に造られた庭(右下が崖下へ)

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