グローバル・ソブリン・オープンの収益分配金は「タコ配」という確かな根拠

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グローバル・ソブリン・オープン(略称はグロソブ)という投資信託をご存知ですか?
約160万人の人が保有している国内で最大規模を誇る投資信託で 主要15カ国の国債に投資しています。 人気の理由は 基準価格(1万口当たりの時価で平成8年12月に1万円で売り出したもの)に対して毎年480円の収益分配金をズット続けていることにあります。

グロソブの分配金が「蛸配当」であるかどうかについては 色々な議論があります。 タコ配当について 新明解国語辞典は次の如く説明しています。

蛸配当:(タコが自分の足を食うことから)会社がその信用を保つために 株主に配当すべき利益がないのにやりくりして配当すること

グロソブの「生みの親」として知られる国際投信投資顧問の山内一三副社長は 2008年2月18日の日経ヴェリタスのインタビューに「投信の決算制度に沿って正当な分配金を出しており、運用会社の裁量でルールから外れた分配ができるはずもなく、タコ配という批判は的はずれだ」と答えています。

本当にそうでしょうか? 私はグロソブを保有していませんが その収益分配金は「タコ配」という気がしてならないので 国際投信投資顧問の主催する「グロソブ運用状況の説明会」(写真上)に出席しグロソブの実態について勉強してみました。

配布資料によると 過去1年間における基準価格の推移と分配金は以下です。

2007年10月31日の基準価格 A: \8,101
2008年10月31日の基準価格 B: \6,278
期中(1年間)の分配金      C: \480
期中の基準価格下落率(B÷A) :  0.77

期中の元本割れ率={1-(B+C)÷A}=0.165

仮に私が2007年10月31日にグロソブ(1万口)を基準価格の\8,101で購入し1年後に売却したとすると 購入時の77%に相当する\6,278でしか売れないので 期中の収益分配金\480を考慮しても元本を割って\1343の損失(購入額に対して16.5%の損失)が発生したことになります。

16.5%の損失(元本割れ)が発生した原因は基準価格が下落したことによります。 基準価格が下がった理由は単純で 国債を購入して運用した結果 国債の利回り収入(利益)より円高による為替差損(損失)の方が多かったからです。

期中(1年間)の利益がなく損失が発生しているにもかかわらず 元本(基準価格)を取り崩しながら分配金を払い続けているので 先の新明解国語辞典に基づいて判断すれば正に「蛸配当」ということになります。 

低金利の日本でまとまった分配金を定期的に得たいというのがグロソブの主たる購入者ですが 分配金を毎月貰っていても基準価格が下がり続けているので元本割れとなっていることに全く気付いていない高齢者も多いようです。 なぜ気付かないのかと言うと 顧客が無知なのを良いことに販売会社(証券会社や銀行)が気付かせないように巧妙にグロソブという投資信託を売っているからだと思います。

グロソブの国債利回りだけではファンドの手数料(信託報酬など)と基準価格に対する毎年480円の分配金をカバーできないので 円安による為替収益がない限り 基準価格を下げるか分配金を下げるか又は両方とも下げるしかないという論理的に無理で成り立たない仕組みがグロソブです。 にもかかわらず 基準価格(元本に相当)を取り崩しながら年\480の分配を続けているので 「グロソブの分配金」≒「株主へのタコ配」と言えます。

従い グローバル・ソブリン・オープンの分配金は「タコ配」でないとする国際投信投資顧問・山内一三副社長の言は詭弁です。 基準価格に対し分配金を年\480払うというのは長期的に成り立たないビジネスプランであり そのことを知りながら商品化し無知な顧客に売り続けるのは悪徳商法に近いです。 

最近では こうしたカラクリが段々と理解されており グロソブ離れが急速に進んでいるようです。 グロソブの残額は約5兆円ありますが グロソブ離れした資金は一体どこに今後向うのでしょうかネ??

写真(上と下)は 中央三井信託銀行がコンサプラザ新宿西口で開催した国際投信投資顧問によるグロソブ運用状況の説明会風景です。
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