ノルウェー地方金融公社の円建て日経平均株価連動型債券(利率年4.81%・ノックイン60)は要注意です

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2年前に購入したオリックス社の社債(利回り年2.27%)が満期となり償還されるので 代わりとなる安全(ほぼ元本保証)で利回りの良い金融商品を探していたところ ノルウェー地方金融公社が発行する利率年4.81%の円建て日経平均株価連動型債券(ノックイン価格=基準価格x60%)を大和証券(発売元)から薦められました。 

外貨建ての外国債券(発行元が外国の企業や政府)は為替リスクが高いので 元本保証に近い金融商品で運用したい私のような臆病者には向きません。 円建ての外債なら元本が保証され安心と考え勝ちですが ノックイン価格という罠(わな)があるので要注意です。 今回 大和証券が薦めるノルウェイ地方金融公社が発行する利率年4.81%の円建て外債は次のような概要です。

1.債権の種類:ノルウェー地方金融公社(格付け AAA)が発行する円建て
  日経平均株価連動型社債。  
2.売出し期間: 2010年6月16日~2010年6月21日
3.利率: 年4.81%      
4.満期(償還期限): 2013年6月20日。 期限前償還条項付。
5.ノックイン価格: 基準価格x60%
6.償還金額:3年の期間内に日経平均株価が一度でもノックイン価格以下
  にならなかった場合には額面金額(元本)が支払われる。 一度でも
  ノックイン価格になった場合には償還金額=額面金額×参照価格
  ÷基準価格(ただし償還金額は額面を上回らない)となる。
7.参照価格:償還日の10営業日前の日経平均株価終値 
8.基準価格:平成22年6月22日(この社債開始日)の日経平均株価終値                         
9.期限前償還条項: 期限前償還評価日において日経平均株価終値が
  判定価格以上の場合、額面金額100%で期限前償還される。
10.判定価格:基準価格x105%


なかなか分かり難い内容ですが ポイントは以下です。

a) 3年の期間中に日経平均株価が60%以下にならなければ元本は保証される。
b) 3年の期間中に日経平均株価が一度でも60%以下になれば元本は保証されず
 上記6の如く償還される。
c) 日経平均株価が判定価格(基準価格x105%)になれば上記9の如く期限前に
  償還される。

3年の期間中に日経平均株価が60%以下とならないなら 元本が保証され年利4.81%の利子を得られるので 資産運用方法として有利ですが 日経平均株価が60%以下となった場合には惨憺たる結果になります。 定年退職後の資産運用方法として 元本保証に近い金融商品を考えるなら ノックイン価格という罠(わな)に要注意です。

ノックインというリスクに加え この商品は満期償還時に日経平均株価が例えば倍になっていても上記6の(  )内説明の如く額面価格の償還額となるので ハイリスク・ローリターンの円建て外債と言えます。 日経平均株価が判定価格(基準価格x105%)になれば上記9の如く期限前に償還されることにもなっており この商品を買うぐらいなら日経平均株価に連動する投資信託を買った方が賢明と思います。

写真上は 同じノルウェー地方金融公社が発行する円建て債券で 発売元(東海東京証券)が異なるので上記に説明した大和証券が発売するものと少し異なりますが ほぼ同じ性格のものです。 ノックイン価格60%は同じですが 日経平均株価に代わる野村證券の株価が80%以下にならなければ年利率10.55%  80%以下になれば年利率0.50%となっています。

債権投資用語で「仕組債(しくみさい)」というのがありますが ノックイン条項付き債権は仕組債の一種で 問題の多いデリバティブ取引に類するものであり 複雑な仕組みから定年退職者を含む素人の投資家は騙されがちですが 「リスクとリターンが著しく不均衡」な商品が多いので注意すべきです。

大和証券の説明によると ノルウェー地方金融公社の円建て日経平均株価連動型債券は定年退職者に良く売れているそうですが 元本保証に近い運用を希望する定年退職者にノックイン条項付き債券を薦め 惨憺たる結果になったら自己責任だとする証券会社のやり方は 商道徳に反するのではないでしょうか? 

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