高利回り(年9.06~14.94%)の投資信託「グローバル・ハイイールド債権ファンド」は要注意です。

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高利回り(年9.06~14.94%)の投資信託として 東海東京証券から 「通貨バスケット選択型グローバル・ハイイールド債権ファンド」 の案内がありました。 買うつもりは全くないのですが どんな金融商品なのか興味を持ったので 説明会に出席してみました。

渡された資料によると 2010年6月末時点における世界の債権利回り(年)は以下の如くなっています。

日本国債:              0.71%
米国国債:              1.75%
欧州国債:              2.66%
グローバル・ハイイールド債権:  9.26%

日本の株価が低迷し日米欧で低金利が続いている中で 上記にあるグローバル・ハイイールド債権に投資して得られる利回り年9.26%は とても魅力的に思えます。 資料によると「通貨バスケット選択型グローバル・ハイイールド債権ファンド」には4つのコースが用意されており 為替ヘッジのプレミアムまたはコストを考慮した4コースそれぞれの合計利回り(年)は以下です。

日本円コース:                9.06%                            
中国・インド・インドネシア通貨コース: 14.46%
BRICs通貨コース:             14.94%
世界6地域通貨コース:          14.91%

世界6地域通貨とは カナダ・豪・南ア・インドネシア・ブラジル・トルコの6カ国通貨です。 こんな高利回りの金融商品(投資信託)があるとは信じられないという方のために 資料にある当該部分を説明した図を示すと以下です。

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4コースそれぞれの合計利回り(青色の部分)

何故このように高い利回りを得られるのか不思議に思われるかも知れませんが その理由として次の二つがあります。

1.格付けBB+以下のハイリスクのハイイールド社債(米国企業を中心とした
  米ドル建て)に投資して得られる高利回り
2.米ドル建て社債を高金利通貨に為替ヘッジして得られる金利差
  (プレミアム)の収入

例えば 世界6地域通貨コースに投資して得られる合計利回り14.91%は 米ドル建てハイイールド社債の利回り9.26%に為替ヘッジによるプレミアム5.65%を加えた合計です。

リスクとリターンは必ず裏腹の関係にあるので このような高利回りの金融商品には必ず裏=罠(リスク)がある筈です。 この商品の罠(リスク)は極めて単純で それは投資対象が投資適格社債(格付けがBBB以上)でなく投資不適格社債(格付けがBB+以下)であるということと 高金利通貨に為替ヘッジして得られるプレミアムに為替リスクが伴うことにあります。

社債発行元の倒産リスクが極めて高い格付けがBB+以下の米ドル建て社債に投資し高金利国の通貨に為替ヘッジするならば 高利回りとなるのは当然ですが この金融商品は裏目に出る恐れが多分にあるので 極めてハイリスクです。

ハイイールド“High Yield”の“Yield”とは“産み出す”という意味ですが この投資信託の名称になっている「ハイイールド」とは(社債発行元が倒産すると共に為替差損を発生する恐れのあるハイリスクな)「ハイイールド」という意味であり 騙されぬよう注意すべきです。

この金融商品は 個人投資家にとってハイリスクなものですが 証券会社はノーリスクです。 証券会社には投資家が負担する購入手数料 信託財産留保額 信託報酬(運用管理料) 監査費用 売買委託手数料などがノーリスクで確実に収入となるので 仕組みそのものが投資家のみに不利なものとなっています。 無知な投資家につけこんで証券会社がこのような為替リスクを含めたハイリスクな商品を巧みに薦め 裏目に出たら「自己責任」と責任を転嫁するのは 商道徳に反するのではないでしょうか?

尚 同様の投資信託は東海東京証券だけでなく 野村證券・大和証券など他の証券会社からも売られています。
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