高い分配金で人気の高い「通貨選択型」投資信託はリスクが高いので要注意です

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9月8日付け日本経済新聞に 高い分配金が魅力の通貨選択型投資信託が急拡大しており 8月末の純資産残高は5兆円に達しているという記事(写真上)が載っていました。 同記事によると 三菱UFJ投信などの通貨選択型投信には直近の分配金が月200円(当初設定ベースで年利回り24%)を超える商品もあるそうです。

興味を持ったので 三菱UFJ投信の通貨選択型投信(毎月分配型)を調べたところ 選択する通貨として 円 米ドル ユーロ 豪ドル ブラジルレアル 南アフリカランド 中国元 インドネシアルピアの8コースがあり 全体の65%を占め最も人気の高い「ブラジルレアルコース」の概要は以下でした。

三菱UFJ投信新興国債権ファンド通貨選択シリーズ(ブラジルレアルコース)

1.主として米ドル建ての新興国債券に投資し高い利子収入を得る。
2.選択された通貨ブラジルレアルに為替ヘッジを行うことにより低い米ドル金利
  と高いブラジルレアル金利の差をヘッジプレミアムとして上乗せする。
3.為替レートがブラジルレアルに対して円安となれば為替差益が上乗せされるが
  逆に円高となれば為替差損が発生する。


現時点では 通貨としてブラジルレアルを選択した投資信託の運用実績は良いようですが 上記1の新興国債券は「格付け」が低いので高リスクであり 裏目に出る恐れが多分にあります。 上記2のメリットはブラジルレアルに対して円高となれば上記3で為替差損が発生するので 2と3を併せて損失が発生する可能性もあります。 こうした状況を考えると 現時点で分配金が多くあっても 長期的には分配金を含めて元本割れとなる恐れがかなりあるので要注意です。

このような通貨選択型投信について 日本経済新聞の記事は「資産運用の経験が豊富な投資家には使い勝手のいい商品だが 分配金を決める要因が複雑でリスクが高く 投資初心者には勧められない」としていますが 私も全く同感です。

この商品には 格付けの低い債権に投資するリスクと為替差損のリスクというダブルリスクがありますが このリスクを充分に説明せずに 証券会社が無知な一般投資家に売り込んでいるなら 無責任過ぎるのではないでしょうか?

金融商品というのは 通貨選択型投信のように仕組みが複雑であればあるほど そこには何か隠された裏(罠)があります。 ブラジルレアルコースの通貨選択型投信を買うくらいなら もっと仕組みが簡単で間に入る証券会社の手数料も低い「ブラジル通貨建てのブラジル国債」を買った方が賢明と私は思います。

尚 私の別記事に 高利回り(年9.06~14.94%)の投資信託「グローバル・ハイイールド債権ファンド」は要注意ですというのがありますが 東海東京証券が発売したこの投資信託は「通貨バスケット選択型」と呼ばれ 複数の通貨を選択するもので 通貨選択型投信の一種です。 

ご参考まで 大和証券の調べによる世界主要国の2年国債金利(2010年8月19日時点)は以下です。

日本       0.12%
米国       0.48%
ドイツ(ユーロ) 0.66%
豪州       4.43%
トルコ      8.36%
ブラジル     11.55%

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