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敢えて談合を擁護するという加藤秀俊著「常識人の作法」を読む

表題の本を読みました。 著者・加藤秀俊氏は先ず冒頭の第一章「常識とは何か」の中で 奥会津の村では昭和初期まで「だんこ」と呼ばれる「談合」が行われ 村のことは住民が集まった「談合」で決め 相互扶助を行っていたとして 古来から日本では 行政に頼らずに 「談合」という「相談(話し合い)」により 自分達でやれることは何でも自分たちで協力してやる…
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日本人固有の思考や行動は「辺境人」に起因するという内田樹著「日本辺境論」を読む

「新書大賞2010」を受賞した内田樹著『日本辺境論』(写真上)を読みました。 日本人固有の思考や行動は その辺境性にあるとする著者の論に目新しさを感じましたが しかし 本書のコンテンツは先賢たちの書いた日本人論の「抜書き帖」みたいなもので 新しい情報は何もないと 著者は冒頭で先ず断っています。 先賢たちの書いた日本人論の「抜書き帖…
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日本兵捕虜たちが米軍の秘密尋問所「トレイシー」にて日本の軍事機密を全て暴露したのは何故か?

「トレイシー」というのは 太平洋戦争で捕虜となった日本兵を尋問する目的でカリフォルニア州バイロン・ホット・スプリングスに設立された米軍施設「日本兵捕虜秘密尋問所」です。 1943年から45年までの間に太平洋各地で捕虜になった日本兵の内 日本軍の重要機密情報を持ち米軍に役立つと判断された2342の日本兵がこの場所に移され尋問を受けています…
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「米原万里展」にて再認識した才女の足跡

市川市芳澤ガーデンギャラリーにて5月9日まで開催中の「米原万里展/ロシア語通訳から作家へ」を見てきました。 4年前に癌で亡くなった才女・米原万里の生涯と仕事を紹介する企画展で 写真パネル 思い出の品々 直筆原稿 通訳時代に準備した自作資料 愛蔵の絵など約200点が展示されていました。 チェコから帰国して東京外語大ロシア語科を卒業し…
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デイヴィッド・ハルバースタム著「ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争』が覆したマッカーサー神話

デイヴィッド・ハルバースタムは ベトナム戦争でのアメリカの政府高官を批判した『ベスト&ブライテスト』や日米自動車戦争を扱った「覇者の驕り」などの著作で知られていますが 不幸にも本書「ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争』の校正を終えた直後の2007年4月23日に交通事故で亡くなっています(享年73歳)。 本著で扱う朝鮮戦争につ…
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「無言館」館主・窪島誠一郎が2歳の時に生き別れた父を探し作家・水上勉と知るまでを書いた「父への手紙」

長野県上田市に 私は未訪問ですが 「無言館」という平成9年に開館した戦没画学生慰霊美術館があります。 第二次世界大戦中 志半ばで戦場に散った画学生たちが残した絵画・作品・愛用品などを収蔵、展示しており 館主は窪島誠一郎氏(1941年生)です。 毎週土曜朝に放送されているテレビ東京の番組「田勢康弘の週間ニュース新書」を終戦記念日の…
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佐野真一著「甘粕正彦 乱心の荒野」を読んで知った甘粕事件と大杉栄殺害の真相

甘粕 正彦(1891~1945年)は 陸軍憲兵大尉時代に無政府主義者・大杉栄らを殺害した甘粕事件でよく知られています。 1923年に起きた関東大震災のどさくさに乗じて 甘粕がアナキストの大杉栄・伊藤野枝とその甥・橘宗一(7歳)の3名を憲兵隊本部に強制連行して虐殺し 遺体を憲兵隊本部の古井戸に投げ込んだというものです。 軍法会議にお…
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民俗学者・宮本常一の代表作「忘れられた日本人」の中の傑作「土佐源氏」を読む

遅ればせながら 1997年に大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した佐野真一著「旅する巨人;宮本常一と渋沢敬三」(文芸春秋)を読みました。 この本は 民俗学の分野で大きな足跡を残した宮本常一と宮本を支え続けた財界人・渋沢敬三(渋沢栄一の孫)の生涯を同時並行的に記した「評伝」です。 宮本常一とは どのような人だったのか 今まで不勉強で良…
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娘・檀ふみが見た父・檀一雄と「火宅の人」

写真上の本 檀ふみ著「父の縁側、私の書斎」(新潮文庫)を読んでみました。 娘・檀ふみから見た父親・檀一雄と「火宅の人」がどんなものだったのか この本から少し分かるのではないかと思ったからです。 無頼派作家・檀一雄(1912-1976)の代表作「家宅の人」は 妻と子供5人を抱えた「流行作家」が妻と愛人の間を行き来する狂乱の日々を私小…
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英語自慢の鼻をへし折る!「日本人なら必ず誤訳する英文」

越前敏弥著「日本人なら必ず誤訳する英文」(ディスカバー社)を兄から薦められたので読んでみました。 本の帯に「英語自慢の鼻をへし折る!日本人なら必ず誤訳する英文」という挑戦的な言葉があったので 受験英語をガリ勉した?私の英文和訳能力がどの程度のものか試してみたものです。 著者の越前敏弥氏(筑波大駒場高校・東大を卒業)は ベストセラー…
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「英語の壁」に挑んだ12人の日本人にインタビューした本

古屋裕子著「英語のバカヤロー! 英語の壁に挑んだ12人の日本人」(泰文堂)を読みました。 「20歳を過ぎて英語圏に1年以上滞在した経験のある研究者」という要件を満たす12人を選び 英語でどのような苦労をしたかを著者がインタビューし聞きだした内容を本にまとめたものです。 編者の古屋裕子さん(31歳)は 筑波大学で文化人類学を学んだ人…
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映画「おくりびと」の原点となった青木新門著「納棺夫日記」

青木新門著「納棺夫日記」(文春文庫)がベストセラーになっているというので読んでみました。 米アカデミー賞外国語映画賞に輝いた「おくりびと」は 主演の本木雅弘さんの目に留まった「納棺夫日記」がきっかけになって映画化されたものです。  この本(文春文庫版)は 地味な内容にもかかわらず1996年の初版からロングセラーを続けていますが ア…
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米原万里の講演録集「愛の法則」にある通訳の限界と効用

米原万里の本をこれまでにも色々と読みましたが 写真上の「米原万里の“愛の法則”」(集英社新書)は講演録で  「愛の法則」「国際化とグローバリゼーションのあいだ」「理解と誤解の間----通訳の限界と可能性」「通訳と翻訳の違い」と題する4つの講演をまとめたものです。 「愛の法則」の中で著者は 「相手を選ぶときの質の追求は男より女の方が…
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マーク・ピーターセン著「日本人の英語」にある日本人が陥りがちな誤った英語

マーク・ピーターセン著「日本人の英語」(岩波新書)を読みました。 1988年初版なのでもう20年も前の本ですが まだ売れ続けているのは 日本人が陥りがちな誤った英語について分かり易く説明しているからです。 既に仕事から離れた私としては 英語を勉強する必要などもうないのですが この本を読み終わった兄から貰い受けたので 大昔に受験勉強…
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幕末の大老・井伊直弼と女間諜・村山たか女を扱った舟橋聖一の小説「花の生涯」

写真上は 11月末に京都の金福寺(こんぷくじ)を訪ねた際 本堂にたまたま居たネコです。 金福寺は 舟橋聖一の歴史小説「花の生涯」に登場するヒロイン「村山たか女」が井伊直弼を弔い尼となって明治9年まで14年間すごした寺で 本堂には村山たか女の遺品と共に 次の絵が展示されていました。 尊皇攘夷急進派の天誅組に捕えられ、京都三条…
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作家・藤沢周平にとって「えらい人」とは?

藤沢周平(1927~1997年)の時代小説には 貧しくても誇りを持って生きる下級武士などを主人公にしたものが多く 私はこれまでに好んで色々と読みましたが 写真上の藤沢周平著「周平独言」(中公文庫)はエッセイ集です。 自らの生い立ち 故郷のこと 身辺の風景などを綴った内容で 藤沢周平という作家はどういう人間かを読んで良く理解できました。 …
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NHKテレビ「篤姫」と宮尾登美子著「天璋院篤姫」と司馬遼太郎著「徳川慶喜」は同じ場面でどう異なるか

NHKテレビの大河ドラマ「篤姫」も佳境に入り 毎週日曜 楽しみに見ています。 徳川慶喜は 戊辰戦争の発端となった慶応4年(1868年)1月の「鳥羽伏見の戦い」に敗れ 兵を残したまま密かに大阪城を脱し 大阪湾に停泊中の幕府軍艦・開陽丸で江戸に退却します。 江戸城に戻った徳川慶喜は 勝海舟 天璋院篤姫 皇女和宮に面会を求め 一人だけ軍…
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「リメンバー・パールハーバー」の「真珠湾」という地名は存在しない

日本とアメリカとの戦争が「パールハーバー」の奇襲攻撃に始まったことは 日本人なら誰でも知っています。 Pearl Harborの「Harbor」を正しく日本語訳すれば「港」であり「湾」ではないので 「真珠湾」という地名は存在しないという面白いエッセイを読みました。 英和辞典を調べると Bay:   (gulfより小さいがcov…
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トヨタショックと米原万里さんの「パスカルの原理」

トヨタ自動車は今期の連結営業利益が前期比7割減になる見通しであると11月6日に発表しました。 製造業で世界最強にあるトヨタの業績急変は 世界全体の景気が極めて厳しい状況にあることを表しており 「トヨタショック」と呼ばれています。 トヨタは 渡辺捷昭社長と5人の副社長全員を推進委員にした「緊急収益改善委員会」を立ち上げ 短期(今期と…
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日本エッセイストクラブ編・’08年版ベストエッセイ集「美女という災難」

「美女という災難」という文芸春秋社発行の本を読みました。 2007年(平成17年)中に新聞・雑誌・会報などに掲載されたエッセイの中から日本エッセイスト・クラブが選んだ54編で 2次にわたる予選を通過した候補作116編から選考されたものです。 新しいベスト・エッセイ集が毎年発表される度に欠かさず読んでいますが 故人となり常連だった米…
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米原万里さんが橋本龍太郎・元首相を信用しなかった理由

米原万里著「真昼の星空」(中央公論新社)を読みました。 読売新聞の日曜版に連載(1998年6月~2001年3月)されたエッセイを単行本化したものです。 「真昼の星空」(写真上)は 著者が少女であった時に読んだ女流詩人オリガ・ベルゴリツの本の題名から借用したもので 「現実には存在するのに 多くの人の目には見えないものがある。 目に見…
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ノーベル物理学賞候補だった故・戸塚洋二さんの「仏教と自然科学」に関する面白い見解(文芸春秋8月号)

素粒子ニュートリノに質量があることを「ス-パーカミオカンデ」を用いた観測で発見し ノーベル物理学賞の有力候補とされた戸塚洋二(とつか・ようじ)さんが7月10日(文芸春秋の発売日)に がんで亡くなりました(66歳)。 その戸塚洋二さんが立花隆さんと対談した内容が文芸春秋8月号に「がん宣告・余命19カ月の記録(ノーベル賞に最も近い物理…
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米原万里著「旅行者の朝食」の人類二分法

米原万里さんの本はほとんど全て読んだと思っていましたが 過日 中古本販売チェーン「ブックオフ」 (BOOK OFF)の中を覗いたところ 未読の米原万里著「旅行者の朝食」(文芸春秋社)が105円で売られていたので買いました。 この本は 全編が食べ物の話で 美味しいものには目がなく大食い早食いは平均以上という米原万里さんらしい薀蓄に富…
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都立西高の級友が書いた自分史「時の砦」

都立西高で3年間クラスが同じだったTN君から 沢木統というペンネームで自分史「時の砦」を自費出版(文芸社)したという案内を貰ったので 購入して読んでみました。 TN君は 現役で東京大学に入り 経済学部を卒業した後は日本長期信用銀行にて国際金融業務などの仕事をされた方です。 西高時代に私はTN君とほとんど話す機会もなかったので…
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賀来敏夫著「「赤裸の支那」と東亜同文書院

賀来敏夫著「赤裸の支那」(写真上)は 1937年(昭和12年)に三笠書房から定価1円30銭で発刊されたものです。 愚息がインターネットで見つけ読みたいというので アマゾンにて8200円で購入しました。 賀来敏夫さんは 1890年(明治23年)に生まれ 大分県の県費留学生として上海にあった東亜同文書院大学の8期生として入学しています…
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アダムとイブの恥部を隠した「イチジクの葉っぱ」はなぜ落ちなかったのか

友人が貸してくれた本・米原万里さんの遺作「パンツの面目ふんどしの沽券」(筑摩書房)を読みました。 人間の下半身を被う肌着に関する古今東西の考察で とても面白い内容でした。 雑誌連載をまとめたもので 単行本化する前に連載時に盛り込めなかった面白さ 深さ 複雑さを織り込みたいと思っていたところ 卵巣癌の再発で残る命がカウントダウンに入…
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梅田望夫著「ウェブ時代をゆく(いかに働き いかに学ぶか)」

著者の梅田望夫は 37万部のベストセラーになった前著『ウェブ進化論』で Googleに象徴される技術進化(Web 2.0)がネット上に経済を含む新しい時代を切り開いたと唱えました。  インターネットの世界がWeb2.0に進化したことで ロングテール(long tail 長い尾)現象を利用した「塵を集めて山を作る」という新たなビジネ…
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文芸春秋2008年2月号の記事「不老革命---アンチ・エイジングの衝撃」

立花隆 茂木健一郎 玄侑宗久など5人の座談会を記事にした文芸春秋2月号(写真上)の「不老革命----アンチ・エイジングの衝撃」を興味深く読みました。 日本人の平均寿命は 現在 女性86歳 男性79歳で 寿命の長さで女性は世界一位 男性はアイスランド 香港についで三位になっています。 これは平均寿命であり 高齢者の平均寿命はもっと高…
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月間雑誌・選択1月号の記事「出井返り咲きに脅えるソニー」

ここ30年ほど 私は「選択」(写真上)という月間総合情報誌を愛読しています。 1975年に創刊された硬派の雑誌で 現在の発行部数は毎月9万部です。 年間予約購読・自宅郵送制なので 書店では買えません。 エグゼクティブを対象に 既存の新聞などではなかなか扱わないテーマを多くとりあげており 質の高い情報分析能力に定評があります。  …
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乃木神社と乃木希典

1月2日(水)は乃木神社(写真)へ初詣をしました。 例年 1月2日は実家(中野)で新年会があるので 実家に行く途中 ここ30年間ほど乃木神社(赤坂)に必ず寄り初詣をしています。 初詣の神社を毎年同じにしなければならないという決まりはない筈ですが 理由もなく途中で変えるのは何となく背信行為のような気がするので 毎年 初詣を乃木神社に…
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