日本政策投資銀行の民営化が抱える難題

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写真上は 来年10月から民営化がスタートする日本政策投資銀行の本店(大手町)です。

私は 1996年6月~11月の6カ月間 トヨタから日本政策投資銀行(略称 政投銀)の前身であった日本開発銀行(略称 開銀)に出向し 写真上の6階でベンチャーキャピタル(新規事業投資株式会社の投資第2部 略称 NBI)の設立準備をした後で NBI投資第2部担当の代表取締役を4年間務めたことがあります。

従い 日本政策投資銀行(1999年に開銀が北海道東北開発公庫を統合し政投銀と改称)の民営化がどうなるかについて 私は特別の関心を持っています。

政投銀を民営化するスケジュールは 2008年10月に日本政府が100%の株を保有する株式会社としてスタートし 2015年までに政府の持ち株比率をゼロにして完全民営化するというものです。

その手始めとして 民間出身の室伏稔氏(伊藤忠商事前会長 76歳)が政投銀トップである総裁に今年10月から就任しています。 同氏のリーダーシップを大いに期待したいですが 「手足を縛られ部下もついてこないところに一人で行っても何もできない」と断じる向きもあります。

財務省がしたたかなのは 副総裁として藤井秀人氏(前財務省事務次官 59歳)を同時に押し込んだことです。 政投銀内の力関係は下手をすると 藤井副総裁が実権を握り 室伏総裁を「パペット puppet)」として人形のように操り 財務省によりリモートコントロールされることになりかねません。

政投銀の民営化を進める課題は色々とありますが 資金調達コストと事業収益の両面で民間金融機関と張り合うだけの競争力を持てるかどうかに尽きます。 個人からの預貯金なしに また 郵便貯金等を原資とした国からの財政投融資なしに 民間金融機関と競争できる資金調達コストを政投銀がどう確保できるかは極めて難しい課題です。 一定の事業収益を得られるビジネスモデル(企業再生 事業融資 未公開株などへの投資や事業買収などの組み合わせプラン)を作れるかどうかも未だ模索中なようです。

ともあれ 政投銀は都市銀行にも負けないほど人材豊富なので 民営化がうまく進むよう知恵を絞り頑張ってほしいと 私は心から願っています。

最後に新規事業投資株式会社(NBI)の現状について簡単に触れます。 NBIは産業基盤整備基金 日本政策投資銀行 民間企業が出資した政府系ベンチャーキャピタルでしたが 2004年6月に産業基盤整備機構が中小企業基盤整備機構に廃止統合されたので減資され 現在は 資本金60億円 出資比率は政投銀64% 民間企業36%となっています。1金融機関は1民間企業の株を5%までしか保有できないという縛りがあり 完全民営化前にNBIへの政投銀出資比率64%をどう減らすのかという課題もあります。

今までにNBIが出資したベンチャー企業は170社で その内20社が株式公開を果たしています。 財務体質の良い中堅ベンチャーキャピタルに育ちつつあることを 関わりのあった私は喜んでいます。

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