アメリカ映画「陽のあたる場所」の日本語字幕に異議あり

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1951年に製作されたアメリカ映画「陽のあたる場所(A Place in the Sun)」がNHK衛星TVで2月12日に放映されたので録画して見ました。 

貧しい青年ジョージをモンゴメリー・クリフト 富豪の令嬢アンジェラをエリザベス・テーラー(当時18歳)が演じたこの映画を 私は高校生の時に映画館で見てアメリカの社会を知り 強い衝撃を受けました。 今回 同じ映画を約50年振りに見ましたが エリザベス・テーラーが18歳のままなので 強い衝撃を受けました。 

原作は米国作家セオドア・ドライサー(Theodore Dreiser 1871-1945)が1925年に発表した『アメリカの悲劇』で 1906年にニューヨークで実際に起きた殺人事件をベースにしています。

貧しい青年ジョージは 富豪の令嬢アンジェラとの結婚と出世する道が開けてきた時に それまで恋人だった妊娠中の女工アリスが邪魔になったので殺害することを思いつき 人里離れた湖でボートに載せます。 湖上で別れ話を持ちだしかけた時に 思いもかけずボートが揺れ アリスは湖中に転落し溺死します。 裁判で ジョージは事故死を主張しますが 「心の中でアリスを殺していた」という神父の言葉で罪を悟り 電気椅子へと向かうというのが映画のストーリーです。

映画の題名「陽のあたる場所」とは「上流社会」のことであり 原作小説の題「アメリカの悲劇」は 下層階級にあった青年ジョージが身の程を知らずに「上流階級」に上がる野心を持ったことで起きた陪審員裁判制度を持つ「アメリカ社会の悲劇」と私は解釈しています。

映画の終盤で 死刑執行を待つジョージ(モンゴメリー・クリフト)にアンジェラ(エリザベス・テーラー)が面会する感動的な場面で アンジェラは次のように言います。

(It) Seems like we spent best part of our time -----to say good-bye.
(私の意訳: 残念ながら別れる結果になったけれど これまで2人で最高の時を過ごせたので お互い思い残すことは何もないわね)

私の意訳に対して 映画の日本語字幕では「私たちは お別れを言うために 出会ったのね」となっていました。 この日本語字幕にある訳は誤りではないでしょうか??

"to say good bye"をどう解釈するかですが 英文法では不定詞「to+動詞」の副詞的用法として (1)目的 (2)結果 の2種類があることを次の例で説明しています。

(1)目的: She was on diet to lose weight.
減量する為に(目的で)食事制限をした。
(2)結果: My grandfather lived long to be ninety.]
祖父は長生きし(結果として)90歳になった。

映画の中でアンジェラが言った「to say good-bye」は (2)結果を意味して発したものと私は思いますが 映画の日本語字幕は (1)目的を意味して発したものと解釈しています。 「私たちは お別れを言うために 出会ったのね」では 禅問答みたいで意味が分かりませんが 「別れることにはなったけれど これまで楽しい時を過ごしたのだから 従容(しょうよう)として死刑執行を受けられるでしょ」と解釈すれば このセリフには深い意味が込められていることになります。 

皆さんは映画「陽のあたる場所」のセリフ”to say good-bye”をどのように解釈されますか?
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