世界同時株価暴落の真犯人は「株の投げ売り」を加速させている信用取引の「追証」という制度

画像
日経平均株価は10月27日(月)に7163円 となり バブル崩壊後の2003年4月28日に記録した7608円を下回る異常な株安レベルとなりました。 7200円を下回るのは 1982年10月以来、26年ぶりです。 私の10月8日付けブログ歴史的な割安水準(買い時?)になった日本の株価 で日本の株価は歴史的な割安水準にあると書きましたが 割安にもかかわらず その後も下がり続けるのは何故なのか 実に奇怪なことです。

その理由を 経済学者やアナリストは新聞・テレビで色々と論評していますが このような株価レベルになると予想できなかった人たちが 今更 どのような理屈をつけて説明しようと 私は信用できません。

株価は売り手と買い手があって決まりますが 今回のような全世界での株価暴落は なりふり構わず大量の株を「投げ売り」せざるを得ない投資家が存在するからです。 株価が暴落している中で 株を売れば損失を必ず蒙るので 常識的に考えるなら このような時期に株を売るべきでなく 歴史的な割安水準になった株をむしろ買うべきです。 しかしながら 現実は「投げ売り」が止まらないという常識で考える方向とは逆の動きになっています。 損失を蒙ってでも株をなりふり構わずに投げ売りせざるを得ないのは何故なのか 私なりに探ってみたところ それは信用取引の「追証」という制度にありそうです。

「追証」or「追い証」という言葉を今まで私は知りませんでしたが 10月25日(土)の日経新聞夕刊記事にあった米国ムーディーズ社ジョン・ロスキー氏のコメント「一部投資家が追証をかけられて返済金の補填のために株式を売らざるを得なくなっており株価下落に拍車をかけている」を読み 初めて知りました。

調べたところ 「追証とは、信用取引の担保価値が下落することによって、追加で差し入れることを請求される保証金のこと。信用取引では、担保価値金額に対して、最低維持すべき保証金の率が証券会社ごと決まっており 通常は20%以上で、証券会社によっては30%程度のこともある」とありました。

世界各地で同時に株価が暴落しているのは 同じ投資家(主にヘッジファンドと呼ばれる投資ファンド)が世界の市場で株をなりふり構わず投げ売りせざる得なくなっているからで その主因は「追証」にあるというのがジョン・ロスキー氏の指摘であり 私も納得です。 追従という制度が株価暴落に拍車をかけている理由を 私なりに整理すると 以下の如くなります。

ヘッジファンドなどの投資ファンドは 先ず自己資金で証券会社から株を購入しますが これを「信用取引」の担保として資金を借り自己資金以上に株を買い増しており この借金で株を購入する手法を「レバレッジ」と呼んでいます。 株価が上昇している時には担保価値が上がるので 更に株を買増せますが 逆に株価が下落すると担保価値が下がり「追証」が発生することになります。 最近の状況は 株価の急落により信用取引の担保価値が下がった結果 ヘッジファンドなどの投資ファンドは最低維持すべき保証金(担保価値)の不足分を現金で用意する必要に迫られており なりふり構わずに株の投げ売り(強制売却)を全世界で行っています。 今回の全世界同時株価暴落は 追証をかけられている投資ファンドが大量の株を全世界で投げ売りせざるを得なくなっていることに起因します。

海外の投資ファンドは 金利の安い日本で円を借り 日本や金利の高い外国で投資する「キャリートレード」も行っていますが  「追証」をかけられ現金を用意する必要に迫られた結果 日本市場でも大量の株を投げ売りせざるを得なくなっています。

世界同時株安の中で 歴史的な割安水準にある日本株の投げ売りが止まらないのは 「投資家の恐怖心」といった単純な理由ではなく 信用取引・レバレッジ・追証・キャリートレードといったものが複雑にからんだ主に海外投資家(日本人以外の投資家)による換金目的の持株売却に起因しており 問題の根が深いだけに 日本政府の考える「追加の緊急市場対策」を実施しても 「焼け石に水」にしかならないと私は思います。

結論として どこまで株安が進むのかを見通すのは困難ですが 歴史的に見ると「異常な状況はいつか必ず修正される」ので このままの状況がズット続くことは考えられず 「追証」が一段落すれば株価は正常なレベルにゆっくり回復していくのではないでしょうか。 「出口の無いトンネルは無い」という諺もあります。

10月27日(月)に日経平均株価が26年ぶりに7200円を割り7163円となった原因について 専門家によるテレビ・新聞での説明は余り明快でありませんが レバレッジを利用して信用取引した投資家が株価下落で「追証」を求められ なりふり構わず株を全世界で「投げ売り」し株価を暴落させているのだと思います。

写真は 今年も忘れずに東京湾の三番瀬に飛んできている鴨の群れで この記事とは無関係です。
画像

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

2008年11月04日 08:23
白象様 私は経済音痴で、株には全く関心がありませんが、昨今の世界同時株価暴落には不安感を持ちました。このブログで背景が分かりました。ありがとうございました。
2008年11月04日 08:31
遊歩様
同時株安の原因は色々あるようなので真因は分かりませんが「追証」をかけられ現金化を迫られていることが主因ではないかという仮説にすぎません。

この記事へのトラックバック