トヨタの今期連結純利益見込み500億円とトヨタ東京OB同好会の忘年会

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12月26日に九段会館にてトヨタOB同好会の忘年会が開かれたので出席しました。 トヨタ自動車には 人事部を事務局とした「社友会」(昨年10月時点の会員数2551名)というOB会があり 名古屋で総会を毎年開催していますが 東京在住のOB有志による「トヨタ東京OB同好会」というものが別途にあり 忘年会を毎年開催しています。

約120名の東京在住OBを中心に忘年会の案内を出したそうですが 集まったのは約70名でした。 挨拶に立たれた写真上の民社党・党政策調査会長である直嶋正行・参議院議員(トヨタでは全トヨタ労連組織局長を務められた方)は 「麻生さんによる衆議院解散総選挙はないであろう」という見方を述べていました。

トヨタ自動車は12月22日に今期の連結営業損益が1500億円の赤字になる見通しと発表しました。 内外の新聞やテレビで大騒ぎになっていますが 忘年会出席者の話題にはほとんど上りませんでした。 トヨタを卒業したOBにとって トヨタの業績見込みは既に他人事(ひとごと)ということもありますが 忘年会出席者の多くは関係会社や海外勤務を含めて今以上に厳しい時期を幾度も経験しているので 500億円もの純利益(税引後当期利益)となる決算見込みであるにもかかわらず 営業利益が戦後初めて赤字に転落するというだけで右往左往するのは騒ぎ過ぎに見えるようです。

トヨタの今期営業損益(連結ベース)が1500億円の赤字になる要因は 
  為替変動による減益      8900億円
  販売減少による減益    1兆1800億円
  その他経費増による減益   3700億円

です。 しかしながら 会社経営にとって重要なのは営業損益ではなく純利益(配当前の税引後利益)であり トヨタは今期連結純利益として500億円の黒字を見込んでいます。 営業赤字にもかかわらず純利益が黒字となるのは 営業外収益である受取配当金や関連会社利益が加わるからです。

今期トヨタの減価償却費は連結ベースで1兆4千億円もあります。 これだけ巨額の減価償却を行いながら純利益が未だ500億円もあり また製造する車の国際競争力は充分あるので パニックになる必要は全くなく ジックリと冷静に対応すれば良いと思います。 トヨタが過去に稼ぎ出した利益の蓄積である利益剰余金は実に12兆円を超えています。 戦後初めて営業赤字に転落したという理由だけで慌てふためき無茶なコスト削減を拙速に行うなら「角を矯めて牛を殺しかねない」と思います。

私自身のことになりますが トヨタの100%子会社であったオーストラリアの現地法人に1984年から6年間出向した時に 現地法人が債務超過(資産を全て売却しても借金を返済できない状況)に近い状況となったことがあります。 現地金融機関からの借入れを継続するためにトヨタ本社に「債務保証」を求めましたが冷たく断られ 対応にとても苦慮しました。 その時に経験した深刻さに比べると 当期純利益見込が未だ500億円もあり トヨタ銀行と呼ばれるほどの膨大な内部留保を抱えているトヨタの状況は 危機的な事態から程遠いと思います。

とは言え 連結レベルの今期販売台数見込みが前期実績より4%減るだけで2兆2700億円あった営業黒字が1500億円の営業赤字に転落する事態は由々しきことです。 業績が悪化した原因は 為替差損と台数減にありますが 1兆4千億円という巨額の減価償却費により損益分岐点がとても高くなっている財務構造に本質的な問題が潜んでいると私は思います。

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忘年会会場になった九段会館4階「桐の間」


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九段会館の遠景


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九段会館の入口付近
 


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この記事へのコメント

へそまがり
2008年12月31日 15:45
白像さん

お話をうかがい少し明るい気分になりました。世情では500億円の純利益の話はすっとび、1500億円の営業赤字の数字だけが一人歩きしているような印象があります。
何も虚勢を張ることはありませんが、天下のトヨタであることを自覚し、もう少し冷静な姿勢を経営者には示してもらいたかったと思います。テレビ画面で見るトヨタのうろたえぶりが世間に与える影響は、あまりにも大きすぎます。
たしかにここ数年(3年?)は厳しい状況が続くでしょうが、形、構造、性能が変わっても自動車そのものの需要は、将来的に増加していくのはまちがいないでしよう。 
2008年12月31日 16:18
へそまがり様
コメントを有難うございます。トヨタは儲け過ぎという批判も従来ありました。 巨額の利益を出しても配当を増やさず従業員の報酬も増やさずに内部留保に回すのなら無意味という批判です。 トヨタにとって適正な利益とはどれほどなのかについてメデイアは眼を今後もっと向けるべきではないでしょうか。
2008年12月31日 17:35
今晩は。
数字を見ると頭が痛くなりますが、白像さんの冷静な判断によるご意見を伺って、少し安心させられました。
体力のある会社なのですから、リストラせずに人材を活用する道はなかったのかな、とも思います。
残れた人は超多忙。2009年はワーク・シェアリングが課題でしょか。
2008年12月31日 17:47
空様
冷静な判断かどうかは余り自信ありませんネ。 未曾有(みぞうゆう?)な時代になり企業経営者は自信喪失に陥っていますが 後ろ向きにならずに前向きな対応を考えてほしいものです。
2008年12月31日 20:18
このブログで、少し気持ちが明るくなりました。「神は天にあり、世はすべてよし」の精神を大切にしたいと思います。
2009年01月01日 08:26
遊歩様
貴ブログを時どき覗かせていただいています。 今年も楽しみに読ませていただきます。

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