幕末の大老・井伊直弼と女間諜・村山たか女を扱った舟橋聖一の小説「花の生涯」

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写真上は 11月末に京都の金福寺(こんぷくじ)を訪ねた際 本堂にたまたま居たネコです。 金福寺は 舟橋聖一の歴史小説「花の生涯」に登場するヒロイン「村山たか女」が井伊直弼を弔い尼となって明治9年まで14年間すごした寺で 本堂には村山たか女の遺品と共に 次の絵が展示されていました。

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尊皇攘夷急進派の天誅組に捕えられ、京都三条河原で三日三晩の生き晒しにされたのちに助けられ 金福寺の尼となった「村山たか女」

「村山たか女」という実在した女性の名を 私はこの絵を見て初めて知りました。 京都で大老・井伊直弼の密偵として開国に反対する尊皇攘夷派の情報を収集する活動をした彦根藩城下の三味線師匠で 和歌を詠み 漢籍にも通じた才女だったそうで 大老・井伊直弼が桜田門外で殺された後に長州・土佐藩士によって捕らえられ三条河原で晒し者にされた時の様がこの絵です。

この女性が井伊直弼の安政の大獄とどうかかわったのかに興味を持ち 船橋聖一著「花の生涯」(講談社)を図書館で借り読んでみました。 昭和38年にNHKテレビで放送された大河ドラマ第1号「「花の生涯」の原作というので 期待しましたが 雑な文体で通俗的なストーリー設定が目立つ全くの駄作でした。

井伊直弼(1815-1860)に対しては 「日米修好通商条約を締結し開国を断行して日本を救った政治家」という評価がある一方で 「安政の大獄を行い攘夷派のみならず開国を推し進めた開明派まで大量に断罪したため幕府滅亡の遠因になった」という批判もあり 評価の定まらない政治家です。 しかし 井伊直弼の見識が正しかったことは 後に明治政府が直弼の開国路線を継承し欧米列強の知識を吸収して日本を強い国家にしたことからも明らかです。

当時の日本は 尊王と佐幕 攘夷と開国の二つに割れていただけでなく 将軍後継問題で慶喜を推す一橋派と慶福(後の14代将軍・家茂)を推す紀州派に分かれており そうした中で勅許を待たずに大老として強権を発動し日米修好通商条約を締結したのは 井伊直弼にして出来た英断だったと思います。

尚 井伊直弼の墓は豪徳寺(世田谷区) 村山たか女の墓は金福寺に近い圓光寺(京都)にそれぞれあります。

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村山たか女が尼となり井伊直弼を弔った金福寺


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船橋聖一著「花の生涯」(講談社)」

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この記事へのコメント

2009年01月10日 18:30
政治家の評価は、なかなか難しいですね。最近の安倍、福田氏はマイナス評価は間違いないでしょうが、小泉氏は井伊直弼同様、評価が二分すると思います。麻生氏も今の状態ではマイナス評価確実ですね。
ことしも、幅広い視点からのブログを期待しております。
2009年01月10日 19:37
遊歩様
コメントを有難うございます。麻生さんは段々と馬脚を現しつつあり困ったものですネ。

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