GMの復活なしにアメリカ経済の回復はない?

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ウィリアム・J・ホルスタイン著「GMの言い分―何が巨大組織を追い詰めたのか」(PHP研究所)を読みました。 2009年6月に経営破綻したゼネラル・モーターズ(GM)について この本(原題 WHY GM MATTERS)は 三つの大陸をまたぎ何千キロという距離を移動して何百ものインタビューを行い 破綻の原因を究明しています。

絶頂期の1962年に GMは米国自動車市場の占拠率として50.7%を達成したことがあります。 正に無敵の存在でしたが 70年代前半のオイルショック後に流れが変わり 分権的な非効率経営 UAW(労働組合)と約束した高額の年金と医療費の負担 日本車を含む他社との競合激化などに加え 2008年秋のサブプライムローン問題に端を発した世界的金融危機で破綻(連邦破産法11条適用による再建型の倒産)に追い込まれました。

「フラット化する世界」の著者として知られるトーマス・L・フリードマンは GM不要論を唱え「アメリカの未来にとって GMより危険な企業が他にあるだろうか。 GMは アメリカ人を石油消費の中毒にした張本人であり 麻薬の売人と同等だ。 トヨタに買収されれば きっとアメリカのためになるであろう」とコラムに書き 話題になったことがあります。

著者ホルスタインは このようなGM不要論には批判的で 「金融業・ハイテク産業・サービス産業を支えているのは製造業であり GMがアメリカ製造業の要になっている」として アメリカ経済の回復にGMの復活は不可欠としており 私も同じ意見です。。

破綻(再建型の倒産)に追い込まれたGMですが 著者は リチャード・ワゴナーCEOのもとで様々な改革努力(トヨタ生産方式の推進 新しいデザイン戦略 中国を含めたグローバル戦略 電気自動車などの商品開発 コスト削減など)が実施され成果をあげていたので 金融危機が納まれば GMが再び強力な存在として復活する可能性も充分あると本著を締めくくっています。

本著では トヨタの驕りや弱点についても色々と指摘しています。 GMに起きたことはトヨタにも起こり得るので トヨタも慢心は禁物と思いました。

ところで 経営不振のJALが産業再生法適用の申請を考えているようですが 置かれている状況はGMと極めて似ていますネ。

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この記事へのコメント

hm
2009年10月02日 17:17
大学卒業して、JALは外国勤務にあこがれていた私が最も就職したい会社でした。ただ、少なくとも事務系は、すべてコネがなければ入れないという時代でもありました。そのJALが企業年金のカットにまで直面しているとは。世の中、本当に先のことは分からないものです。
白象
2009年10月02日 17:27
hmさま
JALは危ないという噂(風評)が広がり障害が出はじまたので日本政府は破綻させぬと最近になって言明しています。どういう再建策を実施するのか見守りたく思います。 

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