個人の金融資産を「貯蓄から投資」に回すよう薦める銀行・証券会社の無責任さ

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日本の一世帯当たりの金融資産は2007年末の時点で1624万円だそうです。 定年退職し年金収入を得ている一世帯当たりの金融資産はどれほどなのか 私としては是非知りたいところです。

内訳をみると 預貯金は半分以上の50.8% 個人年金保険・生保・簡保・損保26.2% 株式10.7% 投資信託4.7% 債権2.9% その他4.9% の如く 圧倒的に預貯金に偏っています。ちなみに米国の預貯金比率は13%です。 日本の政府は個人の金融資産を貯蓄から投資に誘導するために金融ビッグバンを実施して銀行、証券、保険などの業態ごとの壁を取り払い 相互参入を解禁すると共に税金面での優遇も実施しましたが 余り効果をあげていません。

今後はデフレではなくインフレ(物価上昇)基調となる可能性が高いことを考えると 低金利の預貯金による運用は実質的な損となるので 年金だけに頼れない定年退職後(老後)の生活設計を考えると 貯蓄を安全で利回りの良い投資に振り向けることが望ましいことは言うまでもありません。

個人の金融資産を「貯蓄から投資」に移すことが望ましいことは理解できても 現実に何故そうならないのか その理由は明らかで 私を含めた日本の個々人は投資に関する理解力または知識(金融リテラシー)が無いからです。

証券会社や銀行は個人投資家が無知なのを良いことに 色々な金融商品を無責任に薦めますが 国債の利回りが1%そこそこの時代に「旨い話」すなわち利回が良く安全(元本確保)な金融商品(投資対象)など先ず有り得ず 注意が必要です。

個人に対して証券会社や銀行が投資(金融商品)を薦める際の理由は各社共ほぼ同じ(ワンパターンの)です。 例えば 私が説明を受けた三菱UFJ投信(株)による「これからのライフプランと資産運用の考え方」の資料には以下のような説明になっています。

1.老後を夫婦二人でゆとりのある生活を過ごすには月額38.3万円が必要。
2.65歳男女の平均余命は 男性18.45年 女性23.44年となっている。
3.標準的な夫婦2人の年金受給額(厚生年金)は月額23.3万円であり ゆとりある生活
に必要な月額38.3万円より月額15万円少ない。
4.現在65歳の夫婦がゆとりある生活をして平均余命で亡くなると想定すると 公的年金額だけでは3600万円不足する。
5.現在60歳の夫婦が3000万円の資産運用を始めるなら 最低3%の利回りで運用しない限り平均寿命までゆとりある生活を過ごせないことになる。

上記1~5の理由から「貯蓄を投資に回せ」という証券会社や銀行の説得は 正に「脅迫まがい」であり無責任です。 最低3%の利回りを保証(元本確保)する金融商品などなく 自己責任で投資した結果として例えば10年後に大きく元本割れする恐れも多分にあるからです。

最低3%の利回りを狙って定年退職後の貯蓄を投資に向けるなら 元本割れしても老後の生活に支障のない額に限定すべきであり 銀行と証券会社は「貯蓄から投資」に脅迫まがいの勧誘で個人投資家を確信犯でミスリードしています。

ということで 小心者の私は「ゆとりある生活」はしたいものの「夫婦で路頭に迷う」リスクを犯したくもなく 僅かばかりの貯蓄を大胆に投資できないまま stray sheep の状況です。

証券会社や銀行で「個人投資家」を対象として業務を「リテール業務(retail business)と呼びます。 最近では 野村證券を含む各社ともリテール業務の強化をするために 組織変更や新店舗の設立を進めており 個人投資家を集めるために各種の講演会やイベントを実施しています。 

写真上は 新浦安駅前のショッパープラザ4階で6月19日に開催された経済評論家・三原淳雄氏による2時間の株式セミナー「メガトレンドの大変化~変化を見方につけるには~」で 良い勉強になりました。 主催は近く新浦安駅前に支店を開設する東海東京証券で 個人投資家を集めるために 東儀秀樹による笙(しょう)や篳篥(ひちりき)の演奏会や財津和夫のコンサートなども開催しています。

画像新浦安駅前に支店を開設する東海東京証券主催の講演会「メガトレンドの大変化~変化を見方につけるには~」。 講師は経済評論家・三原淳雄氏。



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